りーぬのぬけがら

日々感じたこと 書きつづります

ねこじゃらし、ホホバオイル、江國香織

ある時、世界の解像度という言葉をYouTubeで聞いた。

「僕は勉強しているから世界の解像度が高い」YouTubeの中のおじさんはそんなようなことを言っていて、私はその明確な言葉を聞いた時、びっくりするくらいしっくりときたのだった。そうだ、勉強をしよう。

道を歩いていたり、仕事をしているといろいろな言葉に出会う。ねこじゃらしは帰り道にいつもさやさやと揺れているし、従業員用のニベアハンドクリームの表面にはホホバオイル配合と誇らしげに書かれているのだ。(江國香織は私の1番大好きな作家である)

ねこじゃらしも、ホホバオイルも、江國香織も、それがなんなのかはっきり説明してくれと人に頼まれたとする。猫がじゃれつく____木から出たものを加工したもの_____,,,, それ以上何にも言葉なんかでやしない。すなわちそれが、そのことが解像度が低いということなのである。

まずはホホバオイルから調べてみた。(ここでいう調べるというのは全てネットサーフィンのことである。)従業員様のニベアはハンドクリーム用だが、ホホバオイル自体は全身に使えるらしい。そして肌荒れに効く。砂漠に生えた生物の恩恵を世界のはしっこで受けられるとはいい世の中だ。

次にねこじゃらし。このねこじゃらしについての学びは大変面白かった。まず、ねこじゃらしの正式名称はエノコログサである。ネコジャラシネコジャラシだと思っていた私には天地がひっくり返るような心待ちである。

そして昔の人はなんと犬ころ草と呼んでいたらしい。猫じゃらしといいはじめたのは最近になってからなのだ。さらに海外の人々は、FOX grass 🦊(狐の尻尾に似ているから)

と呼んでいる…。ねこを想起する者もいれば犬や狐を想起する者もいる。ねこじゃらしはなんにでもなれる。

最後に江國香織。インターネットは使わず、原稿も手書き。ニュースは見なくても人から吸収するという。完全に世捨て人の様な暮らしや、現実よりも言葉を信じているという文に美しさを感じた。江國香織の本をまた探しに行こう。

私はこれからきっと砂漠を見て思い出すだろう。夜道を歩いて狐のしっぽを見かけるかもしれない。何かに打ちひしがれた時、美しい文章を、言葉を探すだろう。

今日の月は満月で、サメが泳いでいた。